日本集中治療医学会雑誌
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肝静脈血のケトン体,ケトン体比は動脈血にどのように反映されるか
肝切除術での検討
貝沼 関志山田 守正三宅 聰行
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1997 年 4 巻 2 号 p. 111-116

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抄録
13例の肝切除術中に,橈骨動脈と肝静脈から同時に得た血液中のアセト酢酸(AcAc)とβ-ヒドロキシ酪酸(β-OHB)の濃度および橈骨動脈血ケトン体比(AKBR)と肝静脈血ケトン体比(HKBR)の値の比較を行い,AKBRがHKBRをどのように反映するか調べた。採血は,肝切除前後には1時間間隔で行い,肝切除中は1分間以上肝静脈血酸素飽和度の値が安定したところで行った。検体数はそれぞれ80であった。結果は,回帰直線の上でAKBRが0.29より小さくなるとHKBRがAKBRより小さくなり,0.29より大きくなるとHKBRがAKBRより大きくなった。これは,手術操作に伴う肝静脈血と,上および下大静脈血の混合比の変化により,また末梢組織でのAcAcとβ-OHBのクリアランスおよび消失の時定数の違いにより,HKBRとAKBRにこのような解離が生じたものであろうと推測された。
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