日本集中治療医学会雑誌
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非侵襲的陽圧呼吸法の看護ケアに関わる問題点と対策
林 真理宮川 智子穴井 こずえ海塚 安郎
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1999 年 6 巻 2 号 p. 121-126

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抄録
非侵襲的陽圧呼吸法(noninvasive positive pressure ventilation, NIPPV)を使用した170症例を対象に,施行中に発生した問題と実施した対策を振り返って検討した。141症例(82.9%)から381件の問題が検索できた。そのうち171件(44.9%)は看護ケアによって解決できたが,193件(50.6%)は医師の処置を必要とした。前者ではマスクなどの圧迫感・不快感(77件),口腔や鼻の損傷・乾燥(43件)が多く,後者では低SpO2(54件),不穏(34件)の頻度が高く,装置に起因する問題が17件(4.5%)発生した。後者では医師への緊急連絡と気管内挿管の準備で対応したが,53件(症例)は侵襲的陽圧呼吸法に移行した。NIPPVの看護では,患者は意識が清明で苦痛に敏感なため侵襲的陽圧呼吸法以上に患者の訴えには綿密に対処すべきであり,気管内挿管が必要な病態をできるだけ早期に,しかも的確に把握する能力が求められる。
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