酸素ストレスへの高い感受性を持つ蛍光蛋白質B-phycoerythrinとペルオキシラジカル(ROO・)産生源であるAAPH[2,2'-azobis(2-amidinopropane)dihydrochloride]から構成される活性酸素消去活性測定法を確立し,代表的なカルシウムチャネルブロッカー(ニカルジピン,ベラバミル,ジルチアゼム)とステロイド薬(ヒドロコルチゾン,メチルプレドニゾロン,ベタメタゾン,デキサメタゾン,プレドニゾロン)の活性酸素消去活性を測定評価した。測定の結果,活性酸素消去活性の指標であるB-phycoerythrinの蛍光減衰の抑制率(平均値±標準偏差)は,ニカルジピンが85.0±1.5%,ベラバミルが76.1±0.2%,ジルチアゼムが69.8±0.7%,ヒドロコルチゾンが71.5±0.9%,メチルプレドニゾロンが55.2±0.6%,ベタメタゾンが78.8±1.1%,デキサメタゾンが58.1±1.7%,プレドニゾロンが68.6±1.4%であり,いずれの薬物も強い活性酸素消去活性が認められた。カルシウムチャネルブロッカーとステロイド薬とも活性酸素傷害と関連の深い病態で使用されることを考慮すると,両薬物の薬理活性の一部は活性酸素消去活性に由来している可能性が示唆される。
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