日本集中治療医学会雑誌
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心拍出量管理に対する右室拡張末期容量モニタリングの臨床的意義
長尾 建林 成之三木 隆弘岡本 一彦二藤部 英治菊池 学渡辺 和宏上松瀬 勝男
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2002 年 9 巻 2 号 p. 107-112

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抄録
背景;バルーン付き右心カテーテル(肺動脈カテーテル)は最も信頼のおける心血行動態モニタリングの1つである。
目的;右室拡張末期容量係数(RVEDVI)の連続モニターを可能にしたバルーン付き右心カテーテルを用いて,RVEDVIと心係数(CI)の関係を前向き試験で明らかにすること。
方法;バルーン付き右心カテーテル挿入の適応を有した心原性循環虚脱9例の心血行動態を,1時間ごとに48時間以上,総計439ポイント測定し,RVEDVIとCIの関係を分析した。
結果;RVEDVIと酸素摂取率(O2ER)は各々CIと有意な相関を示した。一方,肺動脈楔入圧(PAWP)と中心静脈(CVP)は有意な相関を示さなかった。重回帰分析では,CIに関与する因子は,心拍数,RVEVDI,駆出率およびO2ER(R2=0.4,P<0.0001)であった。
結論;RVEDVIはCIの予測因子であったことより,かかる連続モニタリングはCIの管理に有用と結論した。
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