農業農村工学会論文集
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研究論文
通水状態での農業用水路トンネル調査・点検技術の開発
森 充広森 丈久渡嘉敷 勝中矢 哲郎藤原 鉄朗齋藤 豊
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2012 年 80 巻 2 号 p. 87-95

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抄録
上水道,工業用水などと共用されている農業用水路トンネルは,ライフラインとしての社会的重要度も高く,優先的に機能診断を行うべき施設であるにもかかわらず,断水が困難であり,機能診断に苦慮している.そこで,通水状態での農業用水路トンネルの機能診断を簡易的に実施することを目的として,流水中に高感度CCDカメラを搭載した装置を放流し,覆工に発生しているひび割れ等の変状を記録する一次診断が可能な調査システムを開発した.本システムの特徴は,高感度CCDカメラが常にトンネルの壁面に正対しつづける壁面自動追尾機能を導入したことである.実証試験によって本システムの性能を確認した結果,幅1.5mm以上のひび割れ,遊離石灰,漏水状況などを検出することができ,通水状態での一次診断として有効であることを確認した.
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© 2012 公益社団法人 農業農村工学会
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