抄録
集落の用排水路の維持管理へ非農家住民に参加して貰うためには, 彼らの労力負担行動を促す適切な要因を選択し働きかけることが重要である.この観点から, パス係数による要因選択方法が提案されているが, 適用条件上, 利用できる者や適用できる維持管理組織が限られている.そこで本報では, 利用できる者等がより多いと見込まれる方法として, 別途提案された最大有効人数を指標にした方法に着目した.そして, 前者に代わり後者の方法を適用する際の条件を示すため, 新潟市の非農家300人の質問紙調査データを使い, 両方法の要因選択結果と特性を分析した.その結果, ①両方法とも選択順が1~3番の要因は一致する, ②後者の方法は全数調査データにのみ適用できる, ③したがって, 全数調査データを使い, 選択順が1~3番の要因を選択することが最大有効人数による方法の適用条件であることを示した.