河川を流下する土砂の自動計測機器による観測として, 浮遊砂は濁度計による手法が普及しているが, 掃流砂は一般に普及している手法はない.本研究では, 農林地流域の末端に設置されている沈砂池の入口において, 浮遊砂を濁度計で, 掃流砂を音響式掃流砂計で自動観測した.この自動観測による測定値は, 沈砂池に堆積した土砂量等と比較することにより, 観測誤差が小さいことを示した.2年間の観測の結果, 河川流下土砂の掃流砂割合は8%であった.出水時における流量と浮遊砂量の関係(L-Q)は, 降雨の状況や融雪の進行状況などの出水条件により異なっていたが, 流量と掃流砂量の関係は, 出水条件にかかわらず一様であった.