抄録
我が国にアスファルト表面遮水壁型ロックフィルダムが初めて建設されてから30数年が経過している. この間, 表面遮水壁に使用されているアスファルト混合物は, 日照, 降雨, 紫外線酸素等の暴露を受け, 劣化が進んでいる. この劣化の進行程度は, これまで斑IS規格によるバインダー試験である針入度試験および軟化点試験等の初期値との比較, あるいは混合物の力学試験である曲げ試験等によるひずみの初期値との比較の結果等により調査してきたが, 劣化予測の判断をすることは困難であった. 本研究においては, 近年研究が進められているSHRP規格の試験のうちバインダー試験に注目し, 経年劣化の予測を研究した. その結果, 促進耐候性試験 (PAV試験) の加圧劣化時間を変化させた試料を用いて, 動的ねじ腿ん断試験 (DSR試験) および低温クリープ試験 (BBR試験) を行うことによって経年劣化予測が可能であると確認した.