抄録
素焼き多孔質管を用いた地中連続灌漑法について, 管内を常時低正圧もしくは負圧に設定した場合の適用可能性を評価するため, プリンスメロンを用いて栽培試験を実施した.また, 低コストで圃場への設置の容易な地中連続灌漑法として, 側面に孔を設けて透水性不織布で塞いだ送水部一給水部一体型のビニールホースを試作して, 同様に栽培試験を実施した.その結果, 給水量は正圧区, 負圧区, ホース区の順で05, 0.6, 0.6L・d-1・株-1, 水利用効率が28.0, 21.9, 22.7L・kg-1であり, 多孔質管と同様に不織布によるホース給水でも地中灌漑が可能であることが示された.ただし, 正圧区, ホース区では, 茎葉繁茂期で水量過多, 着果肥大期で水量不足が顕著であり, 頻繁な水量調整が必要であった.さらにホース区では不織布の目詰まりや設定水位に敏感である点が給水管理を難しくしており, その対策が望まれた.