農業土木学会論文集
Online ISSN : 1884-7234
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湿性環境の草本侵入耕作放棄田における復田コスト
新潟県上越市大島地区における事例検討
有田 博之山本 真由美大黒 俊哉友正 達美
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2007 年 2007 巻 248 号 p. 185-190

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抄録
今日のわが国における耕作放棄農地の増大による農地面積の減少は, 長期的な食料需給への対応の不安定性を拡大している. これに対する解決策として, 筆者等は耕作放棄農地をいつでも利用可能な状態で粗放管理する方法を提案している. 本論では, 従来の研究では検討されていなかった湿性圃場について, 粗放管理の妥当性を経済的観点から評価するため, 復田コストと放棄年数の関係を事例調査に基づいてモデル化した. 調査は, 積雪地帯である新潟県上越市大島地区で行った, この結果,(1) 湿性圃場でも復田コストはロジスティック曲線への当てはめが可能であり,(2) 復田コスト・復田総費用は乾性圃場とほぼ類似の経年変化をたどるが,(3) 価額は乾性圃場に比べて湿性圃場で低い傾向があることを明らかにした.
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© 社団法人 農業農村工学会
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