本研究においては,学校安全の向上に資するため,事務職員向けのクロスロードを作成し,事務職員の防災に関する意識について検討を行った.本研究で作成したクロスロードにおいて,事務職員は災害発生時に家族よりも職務を優先する傾向にあった.ただし,職務を優先する場合であっても,家族と連絡が取れることを前提に考えていた.また,災害発生時に避難所の運営に携わる必要性についても理解していた.本研究の結果は学校の実務を担う教員と事務職員が協働し,学校安全を向上させることが可能であることを示している.一方,2017年の学校教育法の改正によって,主体的・積極的に校務運営に参画することが事務職員に求められていることを踏まえると,学校安全に関しても事務職員の主体的・積極的な参画が必要かつ重要であると考えられる.