2023 年 33 巻 2 号 p. 148-155
地域資料の範囲は広いが,自治体が発行している広報誌は全国のほとんどの自治体で発行されており,重要性の高い地域資料と言える.印刷体の広報誌は各地域の公共図書館で収集・公開されているが,近年はデジタル化の進展で,自治体のホームページで直接デジタル広報誌が公開され,公共図書館はデジタル広報誌にはほとんど関わっていない.現在,約70年前の創刊時の広報誌までデジタル化して公開している自治体がある一方,最新の2-3年分のデジタル広報誌しか自治体ホームページで公開していない自治体も多く,市民が過去の広報誌に容易くアクセス出来ない現状がある.そこで,2022年に広報誌の発行を担当する自治体広報部門にデジタル化・オープン化についての考えを個別に調査したところ,考え方は大きく異なっていた.本研究では過去のデジタル広報誌のオープン化を促進するための方策を提起した.