2023 年 33 巻 2 号 p. 162-167
本発表では,民具資料情報の収集を支援するクラウドソーシングシステムの構築に向けた取り組みについて紹介し,今後の展開について議論を行う.日本各地において,民具は地域の歴史的・文化的資料として収集・保存されてきたが,展示や教育・学術活動に活用されることなく死蔵状態に陥っている資料が少なくない.問題解決に向け,学術資源リポジトリ協議会(Re*poN)は,民具資料情報を収集するクラウドソーシングシステムを構築するためのプロジェクトを開始し,2022年10月に士別市において第一回目のハイブリッドミーティングを開催した.その結果,地域内外から情報提供者が対面・バーチャルで集まることにより,地域の民具に関する様々な情報が収集できることが示された.また,クラウドソーシングシステムのオンラインでの構築・展開と同時にイベントの実施を行うことの重要性が認識され,プロジェクト全体の方向性を定めることにつながった.