2018 年 29 巻 1 号 p. 26-32
生活習慣・食習慣の変化による肥満・メタボリックシンドローム(MS)の増加が世界的な問題となっている。近年の研究により、腸内細菌叢が宿主のエネルギー代謝に密接に関わっていることが明らかとなってきた。このことから、プロバイオティクスやプレバイオティクス・糞便移植など、腸内細菌叢の修飾をターゲットした MS 抑制戦略が注目されている。本稿では、腸内細菌叢による宿主の代謝調節について概説するとともに、プロバイオティクスである Bifidobacterium animalis subsp. lactis GLC2505 の腸管内動態と抗 MS 作用メカニズムの関連性について紹介する。