2018 年 29 巻 1 号 p. 19-25
ヒトの腸管内では多種多様な細菌から構成される腸内フローラが形成されており、宿主の健康と密接に関連している。とくに乳児期の腸内フローラは、成長後の宿主生理に対しても影響を与えることが示唆されており、その重要性がより一層認識されることとなった。本総説では、誕生直後の乳児腸内フローラ形成過程とその腸内環境への影響について、我々の研究成果を中心に紹介する。あわせて、多くの乳児の腸内で最優勢となるビフィズス菌において見出された、宿主との共生関係の構築に重要となる因子についても述べたい。