日本乳酸菌学会誌
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総説
乳酸菌と伝統発酵食品―多様な菌株の分離源として―
小栁 喬
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キーワード: Fermented foods, Isolation, Diversity
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2024 年 35 巻 1 号 p. 23-30

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抄録

我が国には清酒,醤油,味噌,および漬物といった数多くの伝統発酵食品が存在し,多様な味わいにより我々の食卓に彩りが添えられている。このような伝統発酵食品群の製造工程において最も広く役割を果たす微生物の一つが乳酸菌である。発酵食品は,乳,食肉,魚介類,野菜,果実,穀類,および豆類など多岐にわたる原料が用いられており,栄養成分,発酵温度,pH,塩分濃度,および水分活性などの各条件,そしてそれらの複雑な組み合わせによって,それぞれの環境に適合する乳酸菌が多様に存在する。すなわち,乳酸発酵に基づく伝統発酵食品の数多くの品目は,食文化と食品製造技術を人類が発展させてきた歴史の中で,自然に育まれた乳酸菌生育のための優秀な選択培地とみなすことができる。世界中をみわたすと微生物学的な詳細が明らかになっていないローカルな発酵食品もまだ数多くあるため,乳酸発酵食品の全貌が完全に明らかになっているとも未だ言い難い。本稿では,既に先達が時間をかけて十分に研究を重ねてきた領域ではあるが,伝統発酵食品を軸にして乳酸菌の生態を考え,多様な菌株の分離源として見つめ続けていく価値についてあらためて述べたい。

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© 2024 日本乳酸菌学会
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