睡眠と環境
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総説論文
児童期から思春期にかけての睡眠の変化と 睡眠教育・睡眠公衆衛生
山本 隆一郎
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2020 年 15 巻 1 号 p. 19-26

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抄録

本論文の目的は,児童期から思春期にかけてどのように睡眠習慣や睡眠問題が変化するか,睡眠健康の保持・増進にどのような睡眠教育や公衆衛生活動が必要かについて論じることである。第二次成長期の生物-心理-社会的変化に伴い,子どもたちの睡眠は乱れ,睡眠負債や社会的時差ぼけが生じやすい。このことから,学校において睡眠衛生や睡眠健康の維持に寄与する行動を支える睡眠教育を提供することが重要である。さらに,子どもたちの“よい睡眠” を支えるための保健システムを構築することが重要である。  本論考では,2つの形態の睡眠教育(知識提供型プログラムと行動変容重視型プログラム) について解説し,日本における睡眠教育の現状と展望について論じた。加えて,日本と海外における児童期から思春期にかけての睡眠公衆衛生活動(例えば,始業時刻遅延)の現状と展望についてレビューし,子どもたちの“よい睡眠”を支えるための政策や制度の展望について論じた。

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© 2020 一般社団法人日本睡眠環境学会
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