昭和医学会雑誌
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精神分裂病の初期治療と在宅医療の関係についての研究
西田 正彰中川 之子花田 照久河合 正登志坂西 伸彦井口 喬
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1987 年 47 巻 2 号 p. 247-257

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抄録
近年, 分裂病に対する医療は入院治療からしだいに外来治療の比重が増し, いわゆる地域医療にその重点が移りつつある.昭和大学附属烏山病院では25年以上にわたる分裂病に対するリハビリテーション治療を実施して, 一定の成果を挙げてきたが, 同病の治療についてはなお多くの問題が存在している.特に分裂病の初期の段階における問題は, 今後の分裂病者の治療と処遇を含めた長期予後という観点からあらためて検討する必要がある.このため昭和56, 57両年度に入院した発病5年以内の分裂病55例と分裂病治療の時代的変化に対応させるためそれより10年前の昭和47年度の同基準の73例, および20年前の昭和37年度の72例を対象として調査, 研究した, その結果, 1) 時代とともに初期分裂病群に対する短期入院すなわち早期退院の傾向が明らかとなり, またそのことが社会適応に対し良い結果をもたらしていることが確認された.2) それにもかかわらず分裂病の長期にわたる視点からの予後は恐らく大きく変わることがないと考えられた.3) 在宅医療の効果は入院医療に比し, はるかに挙がり, 社会生活を主とする環境の影響は極めて大きいものとみられる.4) 今後分裂病の形態の変化が予想できるようになった.5) 本研究により精神病院運営の今後のあり方に示唆を与えるところが大きいものと考える.
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