抄録
頭皮下腫瘤は, 日常しばしば遭遇する疾患である.その中でも, 血管性腫瘤は, 適切な診断及び治療方針のもとに剔出を行わないと, 思わぬ大出血を起こすことがある.今回我々は, 興味ある二例の血管性腫瘤を経験したので, ここに報告する.症例1は, 47歳男性.頭痛, 耳鳴を主訴として来院.外傷の既往はない, 家族歴にも特記すべきことはない.疼痛の性状より血管性頭痛の疑いにて精査を行い, 先天性浅側頭動静脈奇型と診断.局麻下に, A-V fistel摘出し, 上記主訴も消失した.症例2は, 21歳男性.右前額部腫瘤を主訴に来院.外傷後5日目に受傷部の無痛性拍動性腫瘤に気づき受診.精査の結果, 外傷性浅側頭動脈瘤と診断局麻下に動脈瘤の摘出を行った.以後上記主訴も消失した.以上稀な二例の血管性腫瘤を報告するとともに, 診断, 治療及び組織学的所見を述べ, 文献的考察も加えた.