抄録
BDF製造の副生物であるグリセリン廃液からグリセリン水溶液を製造した.これを焼却残渣の固化抑制剤として活用可能か検討した.室内配合試験に従って作製した内径5cm高さ10cmの供試体の一軸圧縮強度が最大となる混水率においてグリセリン水溶液を添加したところ,一軸圧縮強度の低下が確認された.次に,一軸圧縮試験の破壊試料を回収して再び粒度調整し,ライシメータに充填して透水実験を行った.得られた浸透水の水質変化のデータを完全混合槽列モデルで解析した. TOC,COD,Cl,Caについてはグリセリン水溶液の添加により混合特性が変化していることが示された.一方,T-N,Na,Kについてはグリセリン水溶液の添加による混合特性の変化はほとんどみられなかった.決定係数の値から,槽列モデル解析で得られた近似曲線は,実験結果をよく表しているものと判断した.