抄録
水銀は環境毒性の高さから世界的にその使用を制限されつつあり、使用後に回収された余剰水銀を埋立処分する必要性が生じつつある。埋立処分による環境リスクは、水銀の溶出から環境中の移動、最終的な人体への曝露をモデル化することで計算できる。しかしモデルパラメータは数桁オーダーの変動幅を持つため、妥当なパラメータ値を設定することは困難であり、計算された環境リスクの信頼性を損ねている。本研究では、湖沼の物理的条件(水体積と底質厚さ)が水銀曝露量に与える影響を評価した。水体積は大きな影響を与えないが、底質厚さは水銀流入量と同程度の影響を与えた。