2020 年 23 巻 1 号 p. 35-51
本研究の目的は,カスタマー・アドボカシー志向の成果を構成する要素を抽出し,汎用性と頑健性を備えたカスタマー・アドボカシー志向尺度を用いた成果モデルを構築することである。本研究では,成果要素の抽出と整理を行う質的テキスト分析を行った。先行研究レビューおよびこの質的テキスト分析を基に,多様性の高いサンプルを使用した確認的因子分析によって,7因子22項目からなる成果モデルを構築した。「従業員満足」,「顧客満足」,「信頼」,「感情的コミットメント」,「行動的ロイヤルティ」,「アドボケイト」,「企業業績」が,CAOと高い関係性をもった成果要素として認めることができた。