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擬人化が自己とブランドの結びつきに及ぼす影響―自尊感情に着目した考察―
芳賀 英明熊野 みき
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2020 年 4 巻 2 号 p. 49-55

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抄録

擬人化は,製品・ブランドにおける購買行動の決定因として注目が高まっている。近年では,擬人化された製品・ブランドと自己概念の関係性を取り上げた研究もおこなわれている。しかしながら,先行研究では,現段階において独自性の動機づけの高さなどの個人特性に着目するにとどまっている状況である。このため,他の自己概念に関する個人特性については議論の余地があり,まだ実証研究が十分に積み上げられていない段階といえる。本研究では,自己概念の領域で従来から取り上げられることが多く,精度の高い尺度も作成されている自尊感情に注目し,擬人化が自己とブランドの結びつきに及ぼす影響について検討している。本調査の結果,自尊感情の低い消費者は,ブランドが擬人化されていない場合よりも擬人化されている場合に,自己とブランドの結びつきを高く評価することが明らかになった。また,自尊感情の高い消費者では,こうした傾向が見られなかった。

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© 2020 日本商業学会
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