JSMDレビュー
Online ISSN : 2432-6992
Print ISSN : 2432-7174
査読論文
CSRブランディングの組織的課題に関する考察
高嶋 克義兎内 祥子
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2021 年 5 巻 1 号 p. 33-39

詳細
抄録

企業におけるCSRに関わる活動は,企業の本部スタッフ部門が企業次元での活動として行うのが一般的であるが,製品事業部においても製品ブランディングとしての活動を展開することがある。本稿では,この製品次元のCSR活動が企業ブランディングのもとに統合的に管理されるのではなく,企業次元の活動とは独立して展開されやすく,活動間に異質性が表れるという現象を捉え,製品次元のCSR活動が企業次元の活動とはなぜ独立して展開されやすいのか,そのような2種類のCSR活動を並行的に展開することで,企業はどのようなCSRの追求を行うことになるのかという課題を企業の組織と管理に関する議論に基づいて考察する。そのうえで,製品事業の分権制が維持される企業においては,企業次元ではステークホルダー・コミットメントの追求,製品次元ではブランドマーケティングの追求という組み合わせで展開されやすいことを推論する。

著者関連情報
© 2021 日本商業学会
前の記事
feedback
Top