日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
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P2030 重症心身障がい児(者)の摂食嚥下機能評価システム作り
土田 奈美子松坂 恵美大平 悦子
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2011 年 36 巻 2 号 p. 353

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抄録
はじめに 当病棟では、摂食嚥下機能の評価についてのシステムが確立しておらず、機能別に評価ができていない。さらに、介助方法が口頭で伝達されスタッフ間で統一されていない。そこで、当病棟の重症心身障がい児(者)(以下、重症児(者))の摂食嚥下機能の評価内容の具体化、評価システムの紙面上への明確化が必要であると考え、安全で安楽な食事介助を目指し本研究に取り組んだので報告する。 方法 食事介助を行うすべてのスタッフ全員を対象にSTによる摂食嚥下機能の基本、評価方法・留意点について勉強会を行った。患者を対象に評価し、修正を繰り返した。 結果 一般の摂食嚥下機能評価項目を基本とし、重症児(者)独自の項目を追加し「摂食嚥下機能データベース」を作成した。実際の介助に必要な項目と機能別の評価を「摂食嚥下機能評価表」とした。次に「摂食嚥下機能評価フローチャート」として、評価とカンファレンスの実施の流れを簡潔に1枚に図式化し、2枚目に評価の目的や時期、カンファレンスの実施基準を文章で示した。実際に評価の試行を行い意見を得て修正を重ね完成した。 考察 勉強会を行ったことで患者の摂食嚥下機能について正しく理解するだけでなく、評価の判断基準になった。重症児(者)独自の項目を追加したことで、重症児(者)に合ったものとなり具体的な評価表が作成できた。評価システムを明確化するために、フローチャートとして紙面上に図式で示した。今後、フローチャートを活用しすべてのスタッフが情報共有することで統一した食事介助と評価ができると考える。
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© 2011 日本重症心身障害学会
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