日本重症心身障害学会誌
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O-2-D29 在宅人工呼吸器使用児に対するサイズ可変型設計用車椅子の開発
児玉 真一飯島 浩橋爪 紀子安倍 信貴
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2014 年 39 巻 2 号 p. 281

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抄録
近年、医療的ケアの内容が、気管切開や胃瘻の対応、携帯酸素の使用、人工呼吸器の使用など、多岐にわたるようになってきている。このような幼児児童生徒の登下校を含む外出には医療的ケアに要する多種多様な機器の運搬が必要で、一般的な車椅子ではすべてを運びきることができない。また、環境が整備された病院等において設計・製作された人工呼吸器搭載型車椅子の中には、退院時に自動車に積載できない事態や家屋内に車椅子が搬入できない事態が生じるなど、児と人工呼吸器のみ屋内に移動せざるを得なくなる事例もある。 これら車椅子完成後のトラブルを回避し、在宅人工呼吸器使用児に対する医療的ケアに必要な数多くの機器を搭載できる車椅子の迅速な設計・製作を可能にするためのシート長やシート幅などを調整できる人工呼吸器搭載台付属のサイズ可変型設計用車椅子(以下、設計用車椅子)の開発を企画した。 人工呼吸器搭載型車椅子を個別製作する場合は、完成までおよそ半年程度かかり、納期・材料・作業工程数など多くのロスが生じているのが現状である。本設計用車椅子を用いると納期・材料・作業工程数の削減等に有効で、安価で・機能的な製品の供給が可能になることが期待できる。今回は、背もたれ取付位置と足台の調整による全長の寸法調整、ベースパイプと背・座・下腿シートの調整による全幅の寸法調整が可能な試作機を製作した。 また人工呼吸器などの重量物を多く搭載する車椅子は機構が複雑になり重量が重くなるため、車体の軽量化を図り、介助者負担を軽減する必要がある。そこで軽量化を目的に、近年構造材としての使用量が増加し、価格が安定してきたマグネシウム合金を利用した。 本設計用車椅子の開発・試作により、医療的ケアが必要な障害児の早期外出が可能となること、また国内の車椅子製作に携わるリハビリテーションチームへの貸出しが可能な体制整備を目標として今後も開発をすすめたい。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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