抄録
はじめに
2015年度から障害者に対しサービス等利用計画の作成が障害福祉サービスを利用することの必須条件となる。特に重症心身障害者(以下、重症者)は様々なサービスを組み合わせて利用しているケースが多くサービス等利用計画を作成する上でサービス事業者(以下、事業者)間の連携を強化していくことが喫緊の課題である。今回事業者が集まり、利用者の情報を共有することで、今後の課題が見えてきた症例について報告する。
経過
対象は当センターで医療型重症心身障害者通所事業に登録している18名で、そのうち複数のサービスを併用しているのは17名である。今まで各事業者間で電話等による情報共有のみで、ある利用者に関わる事業者が集まりサービス担当者会議(以下、会議)を開く機会はなかった。そのため、事業者によって利用者に対する見解の相違や事業者間の情報不足で利用者および家族が困惑してしまうことがあった。昨年度より4名の利用者について会議を行い、うち1件の会議開催を相談支援事業所に依頼した。メンバーは医師を含めた多職種で行った。また、地域で生活している重症者は様々な医療機関を利用している場合も多く各医療機関の医師間に意見の相違が見られた例では、通所と訪問看護師が中心となり各医療機関の医師の意見調整の場を設けた。
考察
会議や医師同士での意見調整を行い、利用者や家族を取り巻く事業者間で共通認識を得られ利用者や家族が地域で生活していく上での基盤づくりができたと考える。重症者が地域や在宅で不安なく生活していくためには事業者間の情報の共有、意識の統一が重要である。今後複数のサービス利用者に対しては定期的な会議の開催が必須であると思われる。特に複数の医療機関を利用している場合、医師の見解により指示内容が異なる場合があるため、利用者やその家族、介護の現場にサービス内容の混乱を生じる場合があり、相互の情報共有が大切である。