日本重症心身障害学会誌
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P-2-F38 急性膵炎を反復し膵管ステント留置術を要した副腎白質ジストロフィーの1例
安西 里恵井合 瑞江
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2014 年 39 巻 2 号 p. 335

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抄録
重症心身障害児(者)においては、低栄養、低体温、薬剤など様々な要因が急性膵炎の誘因として報告されている。今回、急性膵炎を繰り返し、内視鏡的膵管ステント留置術が有効であった副腎白質ジストロフィーの1例を経験したので報告する。 症例は19歳男性。12歳時に認知機能障害が出現し、13歳時にMRI画像所見から副腎白質ジストロフィーを疑われ、ABCD1遺伝子変異を同定した。14歳で歩行困難となり、現在は大島分類1である。18歳時にSpO2低下・呼吸苦を主訴に受診し、臨床症状、血液検査、胸部レントゲン所見より肺炎の診断で入院。入院時血液検査にてアミラーゼが1257IU/Lと高値であったが、腹部エコーでは膵臓に明らかな異常所見を認めなかった。薬剤性膵炎を合併した可能性考え、バルプロ酸ナトリウムを漸減中止、レベチラセタムを開始したところ、肺炎治療による全身状態の改善とともにアミラーゼは正常化した。しかしその後も数カ月毎に膵炎を繰り返し、腹部エコー・CTでも膵腫大が確認されたため、原因精査のためMRCP、ERCPを施行した。膵胆管合流異常は認めず、膵鉤部の嚢胞状変化、主膵管・副膵管の拡張・蛇行と蛋白栓様の陰影欠損の所見が得られ、薬剤性膵炎に伴う膵嚢胞形成または遺伝的素因による膵嚢胞が膵炎反復に影響している可能性を考えた。補液、抗生剤、蛋白分解酵素阻害薬による治療中にも膵炎の再燃を繰り返し保存的治療に難渋したため、内視鏡的膵管ステント留置術を施行した。膵管ステント留置後は膵炎の再燃なく経過良好であり、3カ月後にステントを抜去した。その後も膵炎の再燃はない。本症例では、MRCPやERCPでより詳細な局所病変の評価を行うことで、インターベンション治療につながった。重症心身障害児(者)においても、急性膵炎の保存的治療に難渋する場合には、MRCPやERCPを含めた評価に基づいて可能なかぎり成因を探り、インターベンション治療も検討すべきであることが示唆された。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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