日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
O-2-B18 一宮医療療育センターにおいて特別な対応を要した希少疾患症例
中島 務森岡 祐貴安田 寛二音部 好宏前田 正信
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2017 年 42 巻 2 号 p. 218

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抄録
重症心身障害児者施設では、長期、短期に入所している希少疾患を持つ方が結構多いようであるが、希少疾患であるので、あるひとつの疾患に注目すると症例数がきわめて限られてくる。入所者の親は、希少疾患であるゆえに、より多くの「情報」を求める気持ちが強いように思う。本演題では、特別な対応を要した2症例を呈示することで、ご意見を伺い、今後のより良い診療に活かしたい。 症例1 40歳代前半女性 小児期に脳性麻痺の診断。32歳ごろパーキンソン症候群の診断を受けた。40歳ごろ、日赤病院神経内科に検査入院してβ-propeller protein-associated neurodegeneration (BPAN)と診断された。その後、当センターに長期入所となった。放射線読影専門医(特に脳の読影が専門)にMRIを診てもらったところ「脳に鉄が顕著に溜まっている。その所見からNBIAのうちBPANの診断で矛盾ない」というコメントであった。入所時から、いびきが大きく、舌根沈下の影響から睡眠時無呼吸所見を呈していたが、突然両側気胸が出現した。気胸治療し気管切開術を行った。 症例2 10歳代後半女性 小児交互性片麻痺の診断にて、小児神経を専門とする小児科医の診察をときどき受け、短期入所を利用しながら生活していた。フルナリジンの内服もしていたが、発作は、短い時間のものを入れると、月に15日程度おこっていた(発作が一日に複数回の日も多かった)。この状態で、家庭の都合から、どうしても長期入所せざるを得なくなった。東海北陸厚生局からフルナリジンは、混合診療になるから認められないとの伝達があった。このような状況下での当センターでの対応について発表する。
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