日本重症心身障害学会誌
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ランチョンセミナー4
栄養・代謝・リズムとこころとからだ
−重症心身障害児(者)のカルニチン欠乏−
松井 潔
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2019 年 44 巻 1 号 p. 159-162

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抄録
カルニチンは両親媒性のため多彩な機能を持つ。脂質代謝を調節する核内受容体peroxisomal proliferator activated receptorαは飢餓で活性化し、カルニチンの生合成とカルニチントランスポーターでの吸収を促進する。重症心身障害児(者)のカルニチン欠乏の頻度は高く、分画測定を行いカルニチン製剤、カルニチン添加栄養剤、ミキサー食等で治療/予防する。カルニチンの含まれない栄養剤、バルプロ酸、ピボキシル基含有抗菌薬は欠乏症のリスク因子である。ピボキシル基含有抗菌薬は可能なかぎり使用を控えたい。重症心身障害児(者)は筋量が少ないのでカルニチン製剤は長期に使用するのがよい。「カルニチン欠乏症の診断・治療指針」に基づいて診療を行う。
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© 2019 日本重症心身障害学会
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