抄録
Cryptococcus neoformansは、日和見感染を引き起こす病原性の真菌であり、本菌の細胞周期制御の解明は、感染症治療のための基礎となることが期待される。
我々の研究室ではこれまでに、本菌のサイクリン依存性キナーゼ遺伝子CnCDK1(CDC28/Cdc2ホモログ)と、3種類のCdk1サイクリンをコードする遺伝子ホモログのクローニングに成功している。これらのCdk1サイクリンのうち、G1サイクリンをコードするCnCLN1のmRNAは、そのORFの5´側に2つのupstream ORF(uORF)を持つことがわかった。Saccharomyces cerevisiaeでは、G1サイクリンをコードするCLN3遺伝子にもuORFが存在することが既に報告されている。このuORFは、CLN3の翻訳効率を下方調節することによって、細胞の増殖と分裂を負に制御する役割を担っている可能性が示唆されている。
本研究において我々は、CnCLN1の一方または両方のuORFについて、ATGをTTGに置き換えた変異株、および、uORF領域を削除した変異株をそれぞれ作製した。現在、これら変異株の細胞周期について検討中である。