日本看護技術学会誌
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研究報告
4週間の排便記録による排便パターンの実態調査
加藤 京里菱沼 典子田上 恭子加藤木 真史細野 恵子田中 美智子留畑 寿美江丸山 朱美酒井 礼子井垣 通人塚本 紀子野月 千春加藤 祥子山崎 好美
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キーワード: 排便パターン, 分類, 便秘, 下痢
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2012 年 11 巻 2 号 p. 28-37

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抄録

 本研究の目的は,4週間の排便記録を通して排便パターンの実態を調査し,排便状態の判断基準を検討することである.20歳以上の男女に4週間にわたり排便ごとに便形 (水様便,泥状便,普通便,硬便),排便量 (母指頭大,手拳大以上と,その中間) について排便記録をつけてもらった.
 排便記録は便宜的標本抽出にて224名より回収した.データに不備があるものと疾患による影響が考えられる5名の記録はのぞき,男性50名,女性169名の計219名 (平均年齢38±14歳) を分析対象とした.排便パターンはあらかじめ基準をおかず排便状況が似ているもので分類し,排便日数,回数,便形,排便量から帰納的に各基準を抽出して「問題なし (n=147) 」「便秘 (n=51) 」「下痢 (n=13) 」「下痢と便秘 (n=8) 」と命名した.薬剤の服用者27名をのぞいた192名での分析においては,「便秘」の排便日数は平均3.5日/週であり,同時に便形や排便量も考慮して便秘かどうかが判断されていた.「下痢」は日数や量よりも泥状便,水様便があることが基準になると考えられた.性別では女性が,年齢では「20歳代」に便秘の傾向が認められた.

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© 2012 日本看護技術学会
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