日本看護技術学会誌
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短報
3種類のディスポーザブルウェットタオルの部分清拭効果の比較
松村 千鶴深井 喜代子
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2014 年 13 巻 3 号 p. 237-242

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抄録

 本研究の目的は,3種類のディスポーザブルウェットタオルの違いが清拭効果に及ぼす影響を比較することである.健康女性13名を対象に,タオルの種類 (メッシュ状厚型,厚型と薄型の不織布) を替え,異なる日に背部と四肢の部分清拭を行った.タオルは大きさを揃え,タオルの温度は恒温器で加温し55.0℃に準備した.清拭効果の評価には深部温,体表温,血圧,心拍 (HR),POMS短縮版,覚醒度とリラックス度 (VAS),素材の肌触りのリッカートスケールを用いた.その結果,3素材ともに終了直後の深部温が有意に上昇した.不織布 (厚型・薄型) では自律神経活性に著明な変化はなく,薄型では終了直後に両踵部の上昇,柔らかい肌触り感で高評価,POMSの緊張-不安の評点の減少,覚醒度の低下 (P <0.05) がみられたが,厚型では終了直後に体表温が低下し,POMSの混乱の評点が有意に上昇した.メッシュ状厚型では終了直前の副交感神経活性 (HF) の上昇,終了直後に両踵部の体表温の上昇,血圧の低下,POMSの活気,混乱の評点の減少 (P <0.05) がみられた.以上の結果から,3種類のタオルを用いた部分清拭において,保温性と肌触り感で不織布薄型が最も優れていることが分かった.

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© 2014 日本看護技術学会
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