2022 年 21 巻 p. 29-37
内視鏡外科手術で神経損傷の予防のための手術看護師によるポジショニングを明らかにするため, 手術看護師8名に半構造化面接を行い, 質的帰納的に分析しカテゴリー化した.
手術看護師は, 【患者の関節運動や体格を観てポジショニングの見当をつける】というアセスメントを行い, 【頭頚部が回旋・側屈しないように固定し腕神経叢損傷を予防する】【肩の固定に伴い肩の除圧と関節角度の調整で腕神経叢損傷を予防する】を実施していた. 評価は, 【ポジショニングに変化がないことを観察する】【患者の状況に応じて継続して評価する】ことが明らかになった. 手術看護師は, 術前訪問で患者の身体的特徴からポジショニングをアセスメントしていた. そして, 手術台の傾斜に伴う身体の位置の変化で生じるリスクの腕神経叢損傷を予防するポジショニングを実施していた. 手術台の傾斜による身体の位置の変化を早期に発見するために, 評価を定期的に, 継続的に行っていた.