日本看護技術学会誌
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研究報告
湯たんぽによる寝床内温度の経時的変化と保温範囲
大西 由紀杉本 吉恵網島 ひづる大西 英雄
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2010 年 9 巻 2 号 p. 14-20

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抄録

 安全で効果的な湯たんぽの貼用方法の基礎的資料を得るために,湯温 60℃と 80℃の湯たんぽを用いて寝床内の保温範囲,快適な温度への到達時間 ・ 持続時間,保温量などの寝床内温度の経時的な変化を測定し比較検討した.その結果,寝床内の温度は両湯温とも実験開始から 10分までに急激に上昇し,その後緩やかに下降した.また,湯たんぽ周囲から離れるほど寝床内温度は低下し保温量も少なくなることが明らかとなった.さらに,快適な寝床温度 (32~34℃) は湯温 60℃では 5 cm,80℃では 10 cmの位置に湯たんぽを貼用することで約 20分後に得られ,約 4.5時間程度持続することが判明した.一方,60℃でも湯たんぽの表面温度は最高で 44.5℃まで上昇し,43℃以上の表面温度が 110分間持続していることから低温熱傷の危険性があると考えられる.安全で効果的な貼用方法を検討するためには寝床内温度の変化を考慮することが重要である.

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© 2010 日本看護技術学会
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