NEUROINFECTION
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Print ISSN : 1348-2718
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日本脳炎とウエストナイルウイルス感染症
林 昌宏
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2020 年 25 巻 1 号 p. 105-

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抄録

【要旨】日本脳炎ウイルス(Japanese encephalitis virus、以下 JEV)およびウエストナイルウイルス(West Nile virus、以下 WNV)は、ともにフラビウイルス科フラビウイルス属日本脳炎血清型群のウイルスであり、エンベロープを有する直径約 50 nm の一本鎖球状(+)RNA ウイルスである。ウイルスそのものの抵抗性は弱く、環境中ですみやかに不活化されるが、いずれも蚊によって媒介され、重篤な脳炎を引き起こす。日本脳炎(JE)は JE ワクチンによって制御されているが、現在も国内においてその流行が高齢者を中心に継続しており今後も対策が求められる。近年 WNV の分布域は拡大しているが、ヒト用ウエストナイル(WN)ワクチンは開発されておらず、WNV 感染症の流行地域に渡航する場合は媒介蚊対策等の感染予防が必要である。

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© 2020 日本神経感染症学会
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