抄録
本研究では、WISC-Ⅳ、感覚プロファイル、Vineland-Ⅱ適応行動尺度をASD及びLDの疑いのある子どもに対して実施し、この3つの検査から見えてきた特徴を整理し、学校教育現場における包括アセスメントの有用性について考察することを目的とした。研究参加者した対象児は、ASDのある幼児児童生徒14名、LDのある、または疑いのある児童生徒10名とその保護者であった。本研究の結果から、ASDのある幼児児童生徒では、適応スキル及び感覚偏奇を適切に評価でき、LDがある児童生徒では、知的機能が平均か下回る場合、困り感の所在と対応を考える上で、包括アセスメントは有用性であることが示唆された。