日本栄養・食糧学会誌
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研究ノート
高脂肪食摂取ラットにおけるビタミンD制限がアルカリホスファターゼ活性に及ぼす影響
中岡 加奈絵田辺 里枝子奥 裕乃山田 麻子野田 聖子星野 亜由美祓川 摩有五関‐曽根 正江
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2016 年 69 巻 2 号 p. 57-63

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抄録

高脂肪食におけるビタミンD制限によるアルカリホスファターゼ (ALP) 活性への影響について検討した。11週齢SD系雄ラットをコントロール食 (C) 群, ビタミンD制限食 (DR) 群, 高脂肪食 (F) 群, 高脂肪食でビタミンDを制限した食餌を与えた (FDR) 群の計4群に分けた。実験食開始28日後に, 大腿骨のALP活性は, DR群がC群と比べて有意に低値を示し, FDR群もF群と比べて有意に低値を示した。また, 十二指腸のALP活性においては, FDR群がF群と比べて有意に低値を示した。小腸ALPは, 腸内細菌由来のリポ多糖 (LPS) などを脱リン酸化して解毒していることが示唆されており, 高脂肪食摂取時におけるビタミンD制限が小腸ALP活性を低下させることにより, 腸内ホメオスタシスに影響を及ぼしている可能性が考えられた。

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© 2016 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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