日本栄養・食糧学会誌
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ウンシュウミカン中のアスコルビン酸含有量の品種群による差異およびその糖度との関係について
久永 絢美杉浦 実
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2018 年 71 巻 5 号 p. 251-256

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抄録

近年, 消費者庁で新たな食品表示法が施行され, 生鮮農産物も栄養機能食品の対象になった。ウンシュウミカンは日本国内で最も良く食される国産果実の一つであり, ビタミンCを多く含む。そのため, 栄養機能食品としての期待が高い。しかしながら, ウンシュウミカンに含有されるビタミンC量の品種群や果実品質 (等級) による違いに関して, 詳細に調査した報告は少ない。そこで本研究において, 我々は国内主産地で収穫されたウンシュウミカン中のアスコルビン酸含有量を調査し, その含有量と糖度との関連性について検討を行った。その結果, ウンシュウミカン果実中の総アスコルビン酸含有量は早生品種で最も高く, その後, 出荷時期が遅い果実ほどその含有量は低値を示し, また酸化型アスコルビン酸の割合が増加することが明らかとなった。また果実中のアスコルビン酸含有量は糖度と有意に正相関し, より等級の高い果実ほど含有量が多いことが明らかとなった。

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