日本栄養・食糧学会誌
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研究ノート
ヨーグルトの摂取がタクシードライバーの夏場の体調に与える影響
大力 一雄梁原 智晶河津 祐子牧野 聖也狩野 宏逸見 隼浅見 幸夫
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2020 年 73 巻 2 号 p. 61-66

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抄録

ストレスを感じているタクシードライバー100名をランダムに2群に割り付け, 一方にブルガリア菌 OLL1073R-1 株で発酵したヨーグルトを夏期に1日1本 (112 mL) , 12週間摂取してもらい, ヨーグルト非摂取群と比較した。ストレスの度合いは簡易ストレス度チェックリスト (以下, SCL) のスコアで, SCLの主な項目は個別にVisual Analogue Scaleで, 便性は日本語版便秘評価尺度により評価した。その結果, ブルガリア菌 OLL1073R-1 株で発酵したヨーグルト摂取群 (n=39) は非摂取群 (n=47) と比較して12週間後に 1) SCLのスコアが有意に改善し, 2) 「めまい・ふらつき」と「疲労感」が有意に改善し「頭のスッキリ感」および「睡眠の満足感」が有意に高まり, 3) 「便の排泄状態」と「下痢または水様便」が有意に改善した。以上からストレスを感じているタクシードライバーはブルガリア菌 OLL1073R-1 株で発酵したヨーグルトを摂取することにより夏場の体調が改善する可能性が明らかとなった。

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© 2020 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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