夏季暑熱環境における食欲低下は体重減少を引き起こし, アスリートの運動パフォーマンスに影響を与える可能性が高い。そこで本研究では夏季において, 全国4校の高校硬式野球部に所属する選手1年生94名を, 栄養教育と併せて選手が米を活用するRICE群 (n=38) 及び対照群として栄養教育のみのCON群 (n=56) に群分けし, 栄養教育と併せて選手による米の活用が夏季の食生活に及ぼす影響を検証した。栄養素・食品摂取量は食物摂取頻度調査を用いて算出し, 身体組成とともに介入前後の4月及び8月において評価した。結果, 食欲が低下しやすい夏季にエネルギー消費量が増加する野球部において, RICE群はCON群と比較して体重減少量が有意に抑制され, 米類摂取量の有意な減少量抑制及び野菜類・海藻類摂取量における増加量の有意な高値が認められた。以上より, 高校野球選手において栄養教育と併せて選手自身が米を活用することは, 夏季における米及び副食の摂取量に対し影響を及ぼす可能性が示唆された。