ビタミンKは緑色野菜や発酵食品に多く含まれており, ヒトの血液の凝固や骨の代謝に関与している機能性分子である。身近な食品において植物油にはフィロキノン (ビタミンK1) が主に含まれ, 牛乳にはフィロキノンに比べメナキノン-4 (ビタミンK2) が多く含まれている。また育児用調製粉乳や液状乳には乳児の生育を補助するためフィロキノンとメナキノン-4が添加されている。ビタミンKの分析を行う上では脂質抽出液からシリカゲルカラムを用いてビタミンKと夾雑物の分離を行う必要があるが, 多量のシリカゲルや有機溶媒を使用する点や処理時間が長くかかる点など作業効率や環境負荷の面に課題があった。本報ではシリカゲル粒径の微細化による前処理系のダウンサイジングを目的とした検討を行い, 作業時間を短縮し環境負荷を低減した効率的な改良法の開発を行った。