日本栄養・食糧学会誌
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女子大学生を対象とした基本5味の味覚閾値に関する研究:夏期と冬期の比較
矢島 由佳髙澤 まき子鈴木 裕一
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キーワード: 季節差, 塩味, 酸味, 甘味, 苦味
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2021 年 74 巻 6 号 p. 297-305

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抄録

味覚は, 栄養素を感知する機能を介してエネルギーや栄養素の摂取量の調節に大きな役割を果たしている。本研究の目的は, 味覚感受性が季節変動を示すかどうかを明らかにすることである。女子大学生を対象に, 夏期 (7月下旬‐8月上旬) と冬期 (1月下旬‐2月上旬) の2回にわたって, 塩味, 酸味, 甘味, うま味, 苦味の基本5味の刺激閾値と認知閾値について測定した。その結果, 刺激閾値は塩味と甘味について夏期よりも冬期の方が有意に上昇していた。認知閾値についても, うま味以外の4つの味 (塩味, 酸味, 甘味, 苦味) について夏期より冬期の方が有意に上昇していた。以上より, 冬期には味覚感受性が全般的に低下していることが示唆された。

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© 2021 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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