日本栄養・食糧学会誌
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総説
ビタミンKの生体内変換を担う酵素と変換の意義
中川 公恵
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2023 年 76 巻 4 号 p. 199-205

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抄録

血液凝固や骨形成に重要な役割を果たす脂溶性ビタミンであるビタミンKには, 側鎖構造の違う同族体が存在する。我々は, 主として緑色野菜に含まれるビタミンK1 (フィロキノン, PK) や発酵食品に含まれるメナキノン類 (MK-n, n=6-14) を摂取している。しかし, 我々の体内に最も多く存在するビタミンKは, ビタミンK2 (メナキノン-4, MK-4) である。これは, 摂取したPKやMK-nが体内でMK-4に変換されるからである。この変換反応は, UbiA prenyltransferase domain containing protein 1 (UBIAD1) という酵素が担っており, 全身の組織内でMK-4への変換は行われている。本稿では, 著者らが発見したビタミンK同族体のMK-4への変換機構とそれを担う酵素UBIAD1の役割, UBIAD1欠損マウスから見えるビタミンKの新たな生体機能について概説する。

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© 2023 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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