日本栄養・食糧学会誌
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総説
プロポリス:起源植物,含有成分と生理機能概説
熊澤 茂則津田 孝範
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2024 年 77 巻 3 号 p. 157-162

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抄録

ミツバチの生産物の一つであるプロポリスは, ミツバチが植物の防御物質である樹脂を集めて, 自分の巣の補強や保持に用いているものである。プロポリスは古くからヨーロッパやアフリカなどの世界各地で民間伝承薬として使われてきた歴史があり, 日本では健康食品素材として普及している。プロポリスの原料となっている植物を「起源植物」と呼ぶが, プロポリスには異なる産地や起源植物に由来する様々なものが存在する。起源植物が違えば, プロポリスの成分組成は異なる。成分組成が異なれば, 当然生理機能も異なり, その活性には強弱がある。本稿では, プロポリスに関して, ポプラやバッカリスなどの代表的な起源植物, その含有成分, また主な生理機能に関して概説する。取り上げた生理機能は, 抗菌活性, 抗酸化活性, 抗腫瘍活性, ベージュ脂肪細胞化誘導作用である。

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© 2024 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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