2024 年 77 巻 6 号 p. 439-450
健康的な食品選択のため, 栄養素により食品を区分またはスコア化する栄養プロファイルモデルが諸外国で活用されており, 我が国においても日本版栄養プロファイルモデル策定のための研究が行われている。そこで, 本研究では, 日本版栄養プロファイルモデル策定に資する基礎資料として, 既に活用されている諸外国のモデルの閾値基準設定方法と, その根拠となる情報を整理した。食品カテゴリーごとに閾値を定めた18個のモデルを対象に情報収集を行ったところ, 各食品カテゴリーに対してWorld Health Organization (WHO) や各国が定める食事摂取基準等に一定の割合を定め, 閾値とする国が半数以上であった。一方でアジア諸国では, 流通している食品の栄養素を基準とし, それらの食品の一部が基準を満たすよう閾値を定める傾向にあった。日本版の策定においては, 日本人の食事摂取基準や流通する食品の栄養素, また諸外国との調和の観点から基準の設定を行う必要があると考えられた。