2026 年 79 巻 1 号 p. 49-55
認知機能やこころの健康の維持は重要な社会課題である。脳の主要な脂質成分であるアラキドン酸 (arachidonic acid: ARA), ドコサヘキサエン酸 (docosahexaenoic acid: DHA) は加齢で減少するが, その摂取意義は未解明な部分も多い。我々はARA製造技術を確立し, DHA, エイコサペンタエン酸 (eicosapentaenoic acid: EPA) とともに長鎖高度不飽和脂肪酸 (long-chain polyunsaturated fatty acids: LCPUFA) の研究を進め, 複数の観察研究および介入研究を通じて, 認知機能やこころの健康への寄与を明らかにしてきた。また, iPS細胞等を用いた研究により, その作用機序の解明を進めている。さらに, 得られた知見をもとに2024年には「オメガエイドPLUSTM (サントリーウエルネス株式会社, 東京都港区) 」を発売し, 社会実装を推進している。今後は運動や知的活動との多因子介入も含めた研究, および社会実装を推進し, 脳の健康維持の実現を目指す。