栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
多糖類の合成分解に関する知見補遺
(1) 生育中の甘藷成分, とくにアミラーゼおよびフォスフォリラーゼの消長について
神成 節子上住 南八男鈴木 達雄
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1957 年 10 巻 2 号 p. 68-71

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抄録
甘藷=品種, 護国, 農林一号をえらび, その水分, β-アミラーゼ活性, 還元糖, 還元型アスコルビン酸, フォスフォリラーゼ活性, カタラーゼ活性を生育に伴つて, その消長を葉と根茎について追求したところ, つぎの傾向がみられた。
1) β-アミラーゼとフォスフォリラーゼは生育に伴つて両者異つた反応機構に従うような挙動を示す。
2) 還元型アスコルビン酸の季節的変化は, ほぼβ-アミラーゼと生育初期平行しのち, 逆の関係で消長する。
3) 水溶性還元糖は生長とともに葉では減少するが根茎ではちよめいに増大する。
4) カタラーゼ活性は葉に多く, 生長とともに増大し, 以後は減少する。根茎は少く, ほとんど増減しない。
5) 同じ時に挿苗を行つた護国, 農林一号の2品種では差異はみとめられなかつた。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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