抄録
北陸14号を用いて水稲玄米の成分組成に対する農薬の影響を検討した。
(1) 一般成分については農薬の影響がほとんど認められなかつた。(2) 農薬の主成分のうちCuは各試験区に均等に検出され, 量的差異は認められなかつた。Hgは今回の定量法では実測できなかつたがPb, Sn, Mo, Agなどが農薬区に特異的に検出された。これは農薬の不純物成分と関係があると考えられ, いちおう農薬中の重金属成分が穀粒中に移行する可能性があると推定される。(3) B-ビタミン類の含有量は明らかに農薬の影響を受けていると見られ, B1は農薬区では増加し, B2は減少を示していた。