栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
外国産バターオイル乳脂肪の脂肪酸組成
前野 正久両木 岱造工藤 力
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1964 年 16 巻 5 号 p. 401-406

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抄録

ニュージーランド, オーストラリア, スェーデン, アメリカで生産された15試料のバターオイルの乳脂肪について主な化学試験を行ない, 脂肪酸組成をガスクロマトグラブィーにより分析し, 日本のバターから得た乳脂肪と比較した。
酸価, 不ケン化物の量は国別, 季節別の差はない。融点は国別の差はなく季節的に冬季の試料が夏季の試料より1.0~1.5℃高い値を示した。ケン化価, 沃素価は国別の差よりも同じ国の季節による差の方が大きく, 冬季にはケン化価が高い値を示し, 沃素価は減少する。夏季にはこの逆の傾向を示した。
脂肪酸組成は日本, アメリカの夏季試料ではステアリン酸, オレイン酸, リノール酸, リノレン酸が多く, 低級脂肪酸は減少する。冬季にはミリスチン酸, パルミチン酸, 低級脂肪酸が増加し, ステアリン酸, オレイン酸, リノール酸, リノレン酸が減少する。
日本の試料は酪酸含量は外国の試料と大きな差はないが酪酸からラウリン酸までの脂肪酸量は外国のものより低く, リノール酸, リノレン酸は外国の試料とほぼ同じ量を含んでいる。
オーストラリアの試料はアメリカ, 日本の試料と同じ傾向にあった。
ニュージーランドの試料は夏季でもオレイン酸が少なく, 低級脂肪酸が多く他の国の夏季試料と組成が異なっている。
スエーデンの試料はアメリカ, 日本の冬季の試料よりパルミチン酸含量が多く, ステアリン酸, オレイン酸が少なく, 低級脂肪酸およびミリストオレイン酸, パルミトオレイン酸の量が多い。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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